VRSNS「プラネタ」に関連して、2023年8月16日付で特許を4件出願いたしました。また、併せて当社の知的財産権保護への取り組み、特にアバターの知的財産権についての基本的な考え方をお知らせいたします。
1. 特許出願について
VRSNS「プラネタ」について、月曜日のプレスリリースにてその基本的な考え方について説明いたしましたが、「機能の説明が具体性に欠けるな」と感じられた方も多くいらっしゃったのではないかと思います。
これは、プラネタではその機能の実装方法について特許出願の手続きを進めていたからです。この内容についてはしばらくの間は公開されませんが、手続きが進行次第お知らせします。
世の中には様々なメタバースサービスがあり、それぞれに異なった特徴があります。その新規性について権利化を怠った結果全く同じようなサービスを作られたり、あるいは、新規性の薄い特許を過剰に振りかざす「権利ごろ」などは、VRSNS全体にとって一切良い結果をもたらしません。
その意味で、健全な競争環境に資する意図をもって特許を4件出願いたしましたので、ご報告いたします。
2. アバター等の知的財産権保護への取り組みについて
さて、アバターとその著作権などの知的財産権を取り巻く環境には、プラネタの開発チームとしても非常に心を痛めてきました。2017年末ごろの状況と比較すると全体の流れとしては健全化の流れにあり、非常に良いことだと考えています。
しかし、例えば海外のプラットフォームにおいては日本法の適用ができないことから、アバターが不正にアップロードされても対応してもらえないなど、厳しい状況は続いています。原因は様々ですが、「リッピング」と呼ばれるアバターを不正に取得する行為への対応が難しいことが一番に挙げられます。
簡単のため、いくらか省略をして一般的なアバターアップロードの仕組みを図にしました。
青線がアバターデータのやりとりです。注目していただきたいのは一番右で、特に何か処理が加えられていない、生のアバターデータが保存されていることがわかります。
プラネタでは8月25日のαアクセスからアバターSDKを提供しますが、さすがにノーガードは困るということで、アバターデータを暗号化することにしました。
アップロード環境を離れたあと、VRSNSにそれを読み込むまで全てのステップにおいて、アバターデータがずっと暗号化されたままなことがわかると思います。
3. 根本的にはいたちごっこの環境
しかし、それで問題が根本的に解決するかといえば異なります。なぜならアバターデータを画面に表示するためには、どこかでアバターデータを復号しなければならず、描画している間はメモリにデータが残ってしまうからです。
暗号化によってできることは、生のアバターデータがずっと保存される状態を避け、アバターをリッピングする難易度を上げることに留まるといえます。
とはいえ、難易度を上げることはけして無駄ではありません。手軽に汎用ツールを使ってデータをリッピングできる環境をなくすことで、リッピングの総数を減らしたり、わざわざ難しいプラネタでのリッピングを避け、被害を減らすことが期待できます。
またプラネタは日本国内の会社ですから、その行動は当然に日本の法律に準拠します。国内で発生したリッピング被害については海外の会社と比べるとスムーズに対応が可能です。
4. おわりに
知的財産権の保護は複雑で難しいトピックで、単にアバターを守ればよい、というような簡単な解があるものでもありません。
そのためにも、プラネタでは皆さんのご意見をいただきながらこの2023年にαアクセスを実施し、二週間程度の期間の中で様々なフィードバックをいただきながら、よりよい形を作ってβ、正式リリースと進んでいきたいと考えています。
プラネタαリリースは依然未完成なプラットフォームです。ぜひαアクセスにご参加いただき、今後ご案内するアンケートにご回答いただけると大変うれしく思います。
事前登録
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